酔っ払っているのか赤ら顔の中年のおっさんがやってきて座っている女性に声をかけ、そのまま隣に座りこんだ。女性は携帯を手に持ち、画面を見ている。推測しては失礼かもしれないが丁度20代中ばくらいに見えた。ぴっちりとした白いカットソーの上にジャケットをはおり、黒革のタイトスカートがなまめかしかった。
「へー最近の携帯はスマートやねぇ。おっさんは、同じような髭剃りやったらもっとるわ」
おっさんはだぼだぼの褪せたグレーのトレーナーの上に黒っぽいジャンパーを着ていた。こちらは推測するに、いわゆる無職の人に見えた。
「次は大阪城公園。大阪城公園です。降おりの方はお忘れ物のないようご注意下さい」
独特のイントネーションで毎度の車内放送がかかる。夜のラッシュはとうに過ぎて、落ち着いた時間帯だった。席はほぼ埋まっていたが、空いている座席もあり、人がぱらぱらと立っていた。
うざい。大輔はそう思った。反対越しの座席からぼんやりと眺めていたのだが、あきらかに女性は顔をしかめ嫌そうな顔をしていた。
「最近のは写真とれるんやってなー。ねいちゃんどうや、わしを撮ってええで、ええ顔しとるやろ」
ひひっと何がおかしいのか、小刻みに肩を震わし笑いながら言う。
女性は上半身を前に出し、組んだ手を額につけて身を縮め完全無視の体制を整えようとしているが、眉の上にはしわがより、我慢できないように見えた。
「いやかーー。そうかぁ。ほなわしがねいちゃん撮ったるきにな、どうや?きれいに撮るでー」
女性とおっさんの周りを中心に空気が凍りつき、車内の乗客の目線が冷ややかに浴びせられていた。そのときである。女性がすくっと立ち上がり、どんどんと車両の前の方へ歩いていった。そりゃそうだ。むしろ文句も言わず、殴りもしなかったことが凄い!と大輔は感心した一方で死ね!おっさん死んでしまえ!と大輔は怒りが喉もとまで駆け上がり爆発しそうになった。
一件落着した。落ちついたので周りを見回すと同じように安心した顔がちらほらと見受けられる。
「なんや、恥ずかしかったんかいなぁー。わしこんなええ男やしのぉ」
おっさんは照れ隠しか知らないが、もう一方の隣に座っていた中年のおばさんに声をかけた。我慢していたのだろう、話しかけた相手が悪かった。
「こら!おっさん、みっともない!なんや、ええ年して働きよらんのやろ!ほんまクズやな。ゴミや。生きる価値ないな。はよ死ね!!とっとと出てけーー!!!とにかく気持ち悪いわ、目の前から消えて」
マシンガンのようにまくしたて、怒鳴り散らし、最後には冷酷に言い放った。中年のおっさんは顔が青ざめ、あたふたとさっきの女性と反対側へ逃げていった。
世界一怖い生き物は?もしそう聞かれたら大輔は”大阪のおばちゃん”と答えることに決めた。
一歩二歩三歩と大輔の前までおばちゃんは歩み寄り「あんたもなー出てけやー、さっきからニヤニヤして、気持ちわるい。女性専用車両ってわかってるんやろ、えぇ?」
大輔はそそくさと毎日の趣味である、女性車両に乗り、盗撮することを終了し、丁度”プシィィーー”と開いたドアからホームに降り立った。
〜〜あとがき〜〜
毎度毎度、適当、勢いですいません。えぇー、決して実話ではありませんし、疑われては困ります。女性専用車両乗ったことがないんですけど、気にせず乗っていたら、捕まるのかな?とかはどうでもいいなと思いながら書きました。
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Comment
まぁ〜
ただ、あれって時間帯があるですから、ラッシュじゃなければご自由に〜
でもなぁ、大阪のおばちゃんって、ここまでえげつなくないよ〜。
迫力満点で男みたいやけどねぇ(笑)
たまごさんみたいに、かわいらしい女性もいらっしゃることですもんね。(^▽^)ノ(愛想)
でも、大阪の方が、恐いけれど、人間くさいってのは間違いないですね。
がんばります!